第153話スカムバッグはただのクズ野郎

セレーナがそのときチェイスの告白を受け入れなかったにもかかわらず、彼は彼女の会社で手伝いを買って出た。資金もなく、伝手もなく、人脈もない。何をするにも一歩一歩が苦闘だった。だがチェイスは必死に働き、三か月もしないうちに会社に大型契約を引っ張ってきた。その取引で、ようやく軌道に乗ったのだ。

セレーナはチェイスの事情を知っていた。ひとり親家庭で、母親がたった一人で彼を育て上げた。だから彼女は、その契約で出た利益をすべてチェイスに渡した。チェイスは受け取った。だが自分の懐に入れるどころか、金を会社に戻し、セレーナとともに事業を築くための投資に充てた。

あの頃の彼は、本当に彼女しか見えていなかった...

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